オフライン地図を3D化するためには、標高データが必要だが。これまでこの標高データには、米国スペースシャトルが撮影し無償で公開されているSRTM3(90mメッシュ)を使ってきた。
実は手元には以前購入した(3枚。1枚7500円)国土地理院発行の数値地図(標高)50m(メッシュ)のCDがあって、SRTM3より分解能が高いこの数値地図が使えないかと思っていた。
ただこの数値地図、カバー範囲が日本に限られていること、また日本独自の座標系である"日本測地系"で作成されていて、現在の基準である"世界測地系"で使うには変換作業が必要というので面倒なのでずっと放置状態。
で昨日から思い直していろいろ調べてみると、"ASTER GDEM"という全球3次元データというのがあって、日本の経済産業省とNASAが共同で、30mメッシュという高分解能の地形(標高)データを提供していることを知った。
詳しくはこちら で
ASTER GDEMとSRTM3、数値地図(標高)50mとを比較すると次の通り
| ASTER GDEM | SRTM3 | 数値地図(標高)50mメッシュ | |
|---|---|---|---|
| データソース | ASTER | スペースシャトル レーダ | 1:25,000地形図 |
| 作成・配布機関 | METI/NASA | NASA/USGS | 国土地理院 |
| 配布開始年 | 2009年~ | 2003年~ | 1997年 |
| データ取得期間 | 2000年~継続中 | 11日間(2000年) | |
| DEM分解能 | 30m | 90m | 50m |
| DEM高さ精度(標準偏差) | ±7m | ±10m | ±7m |
| DEMカバー域 | 北緯83度~南緯83度 | 北緯60度~南緯56度 | 日本のみ |
| DEMデータ欠損域 | 常に雲に覆われてASTERデータが撮れない地域 | 地形急峻域(レーダの特性による) | なし |
ASTER GDEMは平成21年6月から公開されていて、利用は無償。
あれ、もう2年前から公開されているのに知らなかった。これならわざわざ高い数値地図は不要。しかも日本だけでなく世界中を網羅している。
というのでさっそくサイトにユーザ登録した上で、ダウンロードしてみた。
エクスプローラや画像処理アプリだとほとんど真っ黒にしか表示されないTIFファイルだが、
これをGIS用のアプリで表示させるとこのように見える。
比較のために、SRTM3だとこのように見える
ズームアップしていくと違いが多少わかるものの、肉眼で見てもそれほど違いは感じられない。
しかしこれを同じフォーマット(DEM)に変換してサイズを比較してみると、"ASTER GDEM"は"SRTM3"の8.6倍。
分解能比 (90 x 90) / (30 x 30) = 9 なので、"ASTER GDEM"を使えば精度は大幅に向上することがわかる。

なお余談だが"ASTER GDEM"がどれほど高分解能の標高データを提供してくれるものであっても、利用するアプリが、このデータの読み込みに対応していなければ使えないのはいうまでもない。
GPS解析アプリである"CompeGPS"で"ASTER GDEM"のTIFデータをGeoTIFFで読み込もうとするとエラーが起きてしまう。
試行錯誤の結果、"DEM"形式に変換することでうまく読み込むことができた。
今後3Dのオフライン地図製作にあたっては、"ASTER GDEM"を標準で使っていく予定。